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駆けた日々を見る

ぬるいてのひら Tしゃつを引っ張った

マンションの向こう、8月の雲

寝転がる君の髪が揺れる

いつまでもずっと続く気がした


走り去った君を追って

すりむいてころんだって

すぐに駆けつけて手を取ってくれたね

一緒にどこまでも行こう

僕らヒーローの作戦も

忘れないで


夏が来る

天色に あの雲が

幾重に見えて

逃げ水に 映る記憶

いつの日も

胸の奥でゆれる


汗が張り付く 坂の上には

紐の伸び切った帽子の君がいた

風がふいたら 目を開いては

戻れないんだなってまた目を閉じたんだ


約束は古びた切符

置いてきたゲームの続き

忘れるはずもないのに

いつが最後だったっけ

あたりまえだったからね

少し寂しくなるくらい

それでいいの


夏が来る 千尋川

君を追いかけて 水しぶき

数えて待ったままでいた

もういいね、今行くよ 


夏が来る

耳霞む

刺する陽の模様跨いで

青緑の 奥の山

白たへの 衣揺れる


終わらない 夏休み 

蝉の声 ただ聞こえてる

細道の階段から 笑い声

駆けた日々の夢も

 

駆けた日々を見る

 
 
 

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